2014年07月31日

第3回 LIFE・DESIGN株式会社 代表取締役 勝矢圭一氏

第3回目はLIFE・DESIGN株式会社 代表取締役 勝矢圭一(かつや・けいいち)氏に
インタビューいたしました。

勝矢さん2.jpg

“介護とは、生活をデザインすることである”
勝矢圭一



勝矢圭一 氏(かつや・けいいち) 
LIFE・DESIGN株式会社 代表取締役。長崎県雲仙市国見町出身 40歳。大東文化大経済学部経済学科卒業後、九州福祉衛生専門学校卒業と同時に社会福祉士資格取得。社会福祉法人長崎厚生福祉団、株式会社メディカルネットワークを経て、独立。2011年7月ショートステイ王樹(えんじゅ)開設。2012年4月、小規模多機能型居宅介護事業(現在、複合型サービスへ移行)、2014年2月、住宅型有料老人ホーム並びに訪問看護ステーション開設。高齢者の介護現場に約17年携わる。長崎県内外の介護事業のコンサルティングやケアマネジャーをはじめ介護従事者対象の研修の講師をしている。


■ライフストーリー

― 勝矢さんと言えば陸上ですが、幼い頃から陸上一筋ですか?

中学時代はテニスをしていました。
陸上は友人のすすめで高校から始めました。
長崎県大会800m競技で優勝することができ、
当時、箱根駅伝で2連覇していた大東文化大から声をかけていただきました。


− 陸上選手から社会福祉士への転身。きっかけを教えてください。

大学時代、選手としては故障が続きました。
いよいよ3年生になり、就職を考え始めたときに
父親が「『社会福祉士』という資格ができたらしいぞ」と言っていたのを聞いて
介護の世界に興味を持ちました。
当時、1年間で資格取得できる専門学校が3校(東京、大分、広島)と少なかったので、
地元(長崎県)に近い大分の学校を選びました。

卒業後は、福岡の会員制スポーツジムのインストラクタの仕事も内定していましたが、
『介護(福祉)は今からの仕事、このタイミングを逃してはいけないのではないか』という
漠然とした直感が働き、内定を辞退し、介護の仕事に就くために地元へ戻りました。
仕事を決めて帰った訳ではなかったため、実家(コンビニエンスストア)の手伝いしていたところ、
実家のお客様で老人保健施設の生活相談員の方から声を掛けていただき、
その施設の理学療法士の助手のアルバイトをすることになりました。

そして、その方の紹介で長崎市の社会福祉法人長崎厚生福祉団に仕事が決まりました。
こちらでは、社会福祉士として在宅介護支援センター業務に従事しながら、
デイサービス、グループホーム(厚労省のモデル事業)の立ち上げを行う機会をいただきました。

2000年 介護保険制度がスタート。
2001年 株式会社メディカルネットワークに転職し、  
     独立行政法人国立病院機構長崎病院の地域連携室を立ち上げました。
2006年 長崎県西彼杵郡長与町地域包括センターへ出向。
2009年 長崎県介護支援専門員資質向上事業研修(総時間数1年間で475時間)を受託し、
     講師として大勢のケアマネジャーの教育に携わりました。

2010年5月、いつもお世話になっている方と居酒屋で話をしていたときに、
良い土地があるということで、見に行くことになり、
勢いだけで介護施設を建てる話を決めてしまいました(笑)。
起業の知識と経験がなかったことが幸いしたのだと思います。

銀行からの融資も、前年のケアマネ研修の受講生128名が、
その事業の必要性と協力することに対して賛同することを署名することで後押ししてくれました。
たくさんの方のお陰で、2011年7月26日ショートステイ王樹をオープンすることができました。


■LIFE・DESIGN株式会社の人材育成について

− 貴社のクレド(信条)は短くて、大変分かり易いですね。
人を育てるために取り組んでいることについて、詳しく教えていただけますか?

−クレド−
●笑顔の環
あなたの笑顔は笑顔の連鎖を生みます。どんなときも笑顔から始めれば、きっとうまくいく。「毎日笑ってもらいたい」そう願うと、自然と笑顔になれます。

●完璧より感動
わたくしたちが提供するのは介護ひとつひとつのサービスだけではありません。その行動によって、ご利用者の皆様に感動をお届けすることです。

●挑戦と探求
失敗はチャレンジの証。「できない」と諦めてしまうとすべてが止まってしまいます。でも「できる方法」を考え、挑戦し続ければ、必ず変化や満足は生まれます。

●感謝こそ財産
「ありがとう」の言葉は、とても強い力をもっています。ご利用者からの感謝は、明日の活力に。仲間からの賛辞は自信に。感謝とはあなたを伸ばす成長財産です。


詳しくはこちらをご覧ください。中身を読むことができます。

クレド.jpg

現在、職員が58名です。
介護の仕事を生業にしていた利用者は、今のところ殆どいません。
つまり、介護のことだけ知っていても、本当の介護はできません。
私どもは、人として幅をもたせるような社内研修を実施しています。

− 介護業界では研修も実施せず、すぐに現場に出したり、
研修があったとしても1日、もしくは数時間というところが多いと思いますが・・・。

はい。当社では新入社員研修を5日間行います。
入社時期がまちまちなので、年に3回実施して必ず受講するように組んでいます。
これでも充分とは言い切れませんが、カリキュラムは次のとおりです。

1日目 理念、クレドについて
2日目 就業規則、高齢社会の現状等
3日目 個別ケアとは
4日目 介護現場で必要な医療知識とスキル
5日目 リハビリテーションについて

1日目は私が行いますが、他は各部署の責任者が行います。
この他に、心の教養を高めるための
課題図書「日本のこころの教育/境野勝悟著 致知出版」を読んで感想を書かせています。

研修に関しては、社内研修のほかに外部研修も受講させて、他事業者や異業種の方と学ぶ機会をつくります。外部研修では、業務命令で受講する研修と自分が見つけてきた研修の2種類に大別し、
それらの研修について、受講料負担の在り方と勤務時間内での受講か否かなど、
マトリックスを作成し、会社としての研修に対する支援等の体系を組み立てています。

また、半期に一度評価を行うために、クレドに基づいて目標を立て、スタッフの自己評価と上長評価を行い、面談を実施しています。

介護とは「こういうものだ」と決めつけるのではなく、
高齢者の生活を改善するために、活性化させるために存在するものです。

常に新鮮な情報を取り入れ、挑戦し続け、何にでも興味を持つことができる人材を育てたいと思っています。


■部下を育てるときに心がけていることは

― 勝矢さんが部下を育てるときに心がけていることは何ですか。

技術の向上より人間力の向上です。
介護は人がすべてなので、
介護職人である前に“人としてどうか”ということが問われると思います。


王樹を卒業して、他の事業所へ行ってもいいと思うんです。
自分のところだけではなく、介護の業界全体がレベルアップして欲しいと願っています。
リーダーは全体の把握はしますが、細かいところは信頼して任せきることが大切だと思います。


■若者たちへ一言

― 介護職を目指す若者たちへ一言お願いします。

私も若者です(笑)

介護職はきつい、きたない、給料安い仕事だと言われます。
しかし、きつくない仕事ってありますか?

「介護は生活をデザインするものだ」と私は思います。
介護の「介」は「媒介」の「介」です。
つまり、介護の仕事とは高齢者が望む生活が実現するよう、我々が媒介すること。
言い方を変えると、今の生活を改善することが介護です。


また、専門バカになったらいけません。
ジャンルに固執せず、とにかくいろいろなものに興味を持って欲しいと思います。


■勝矢さんの夢は

― 勝矢さんの夢は何ですか?

私の夢は長与町の町長になることです。
子供の教育から変えなければ介護は変わらないと思います。


今、私は中学校のPTA会長をしています。
子供たちを見ていると、いろいろなことを感じます。

たとえば、大人が家で仕事の愚痴ばかり言っていたら、
子供たちは大人になりたいと思いますか?
自然と仕事って苦痛なモノと刷り込まれると思うんです。
そうなると、仕事はもとより日本の将来を危惧せずにはいられません。

私は子供たちと徹底的に遊び、
本物を見せるために、遠方へも連れて行きます。
多少の無茶もします(笑)。

最近声高に言われる、地域包括ケアを簡単に言うと
「地域全体で高齢者を見ましょう」という仕組みのことです。
しかし、最近は、子供会や自治会に入っていない人も結構多いんです。
地域のことに無関心な人が多い状況で、
高齢者を地域で協力して見ることなんてできないでしょう。

そのためにも、私どもの事業所でも職員が地元の消防団に入るなど、
できることで、地域に貢献をしたいと思っています。
それが、日本を担う子供たちの未来につながることだと思うからです。


■インタビューを終えて

勝矢さん1.jpg

勝矢さんとは共通の友人に紹介いただいたことがきっかけで、
ショートステイ王樹のオープニング研修や新入職員研修等でお世話になっています。

今回のインタビュー中に何度も耳にした言葉は、

「私は人に恵まれています」

人生の岐路を迎えた時に、助けてくれたのは彼の周りの人たちでした。
彼の周りに人が集まるのは、
ただ夢を語るだけのリーダーではなく
有言実行型のリーダーだからだと私は思います。

高齢者の介護の現場に約17年携わった実績を持ち、
見た目は二枚目ですが、
真面目な顔でとんでもなく面白いことを思いつく(笑)
人間的魅力があるから応援したくなるのだと思います。

今回のインタビューは、来月実施するイベントの話や好きな時計の話(笑)など、
予想通りいろいろな方向に脱線してしまいましたが、
初めてお聞きする話も多く、とても興味深く聴かせていただきました。

3人の子供の父親でもあり、
仕事以外のときは、子供の行事、スポーツ、地域活動に一緒に参加して
「いったいいつ休むの?」と思います。
「動きが止まったら、死んでしまうかもしれない」と自分でもおっしゃるように、
子供のような好奇心とクイックアクションで
介護業界をはじめ、日本の明るい未来を築くリーダーとして
大活躍なさることでしょう。

ご協力いただき、ありがとうございました!

2014.7.24. 白梅英子




posted by 白梅英子 at 10:15| Comment(0) | 日記
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